米国債の格付け引き下げ
不透明感高まり日米で株価急落
日経平均株価は7月3日にバブル後の最高値3万3753円を付けた後も、調整らしい調整もなく高値圏を維持してきた。
金融市場が注目した7月下旬の中央銀行ウィークに、米FRB(連邦準備制度理事会)は0.25%利上げ、日本銀行は意表を突く「長期金利の上昇容認」に動いた。
米国については小幅利上げを事前にほぼ織り込み済みだったことや、FOMC(連邦公開市場委員会)後の会見でパウエルFRB議長が、9月以降の利上げについて「あるかもしれないし、ないかもしれない」「あくまで今後のデータ次第」と述べ、従来よりも若干ハト派の印象を与えたことを株式市場が好感したようだ。
一方で日銀に関しては、「政策変更なし(長期金利の上限0.5%程度を維持)」とみていた市場の予想に反したものだったが、市場は「金利上昇→円高・株安」ではなく、円安・株高で反応した。
だが、今後については楽観できない。
8月1日のフィッチ・レーティングスの米国債の格付け引き下げを受けた米国株、日本株の急落は、好調を続けてきた株式市場の局面変化の予兆の可能性がある。