私が乗船したのは「ル ソレアル号」。世界で初めてラグジュアリークラスの客船で極地(南極・北極)を旅することを前提に建造された「シスターシップシリーズ」の船で、9日間かけて九州の寄港地を巡るコースでした。
ル ソレアル号も約1トン級のサイズのため大型客船ほどの船内設備はありませんが、それでもプールやシアター、スポーツジム、スパ&ヘアサロン、ライブラリー、グッズショップ、パノラミックラウンジなどを完備。パブリックスペースは乗客数に対してゆとりをもって設計されているため、航海を通じて全般的に静かで優雅な時間を過ごすことができました。船内はアルコールのオーダーやアクティビティ参加も含め、ほぼすべてがオールインクルーシブ(一部の銘柄のワインやカクテル、またスパ&ヘアサロンメニューは有料)。乗船してからあれこれ追加オプションで悩まなくていいのもポナンの魅力です。
実は私、以前マイアミから10万トン以上の大型客船で旅した経験があるのですが、今回ポナンに乗船して、同じクルーズでもこんな別世界があるのかと正直驚きました。もちろん前者にも充実した設備やカジュアルクルーズならではのコストパフォーマンスなど多くの魅力があるのですが、ポナンは何をするにも少人数なので、ホスピタリティやサービスがきめ細かくて丁寧。同じ旅・冒険をするのでも、例えるなら修学旅行とプライベートツアーくらい違って、得られる体験や知識、思い出がより濃密に感じられるのです(あくまで個人的な感想)。
エレガントでスタイリッシュなデザイン、洗練されたエンターテインメント、そして日々提供される美食の数々。時々ここが洋上であることを忘れてしまいそうなくらい快適な宿泊環境ですが、船は巡航速度最大16ノットで港から港へ移動。これはクルーズ全般に言えることですが、遊んだり寝ていたりする間に次の目的地へと移動してくれるクルーズは、究極に効率の良い旅の手段。特に日本のような起伏が多く入り組んだ島国では、陸路を移動するより海上を移動するほうが圧倒的に便利だったりするのです。