島国日本はこの規模のクルーズ船で巡るのがちょうどいい!
小さな港でも十分接岸可能なポナンのクルーズ船。この機動力が魅力的な航路開拓に繋がっている
下甑島に上陸するゾディアック。南極・北極のような過酷な条件下でも利用できる丈夫なゴムボートだ
ポナンが日本のクルーズ旅で有利なのは、大型客船が停泊できない小さな島や町の港にも着岸できる点にあります。2023年の航路でもその優位性は如実に表れていて、例えば沖縄の竹富島や座間味島、鹿児島県の喜界島、長崎県の上五島、瀬戸内の下蒲刈島や犬島といったディープな寄港地を巡る楽しさが詰まっていました。
またポナンのクルーズ船にはフランス軍が開発したエンジン付きゴムボート「ゾディアック」を十数隻搭載しており、さらに小さい港や海岸への上陸が可能。私も鹿児島県の下甑島を訪れた際にゾディアックに乗船しましたが、10人程度で乗り込むゴムボードはその移動自体、まるで上陸作戦のようなアドベンチャー感があります。ちなみにこのゾディアック、もともと軍用目的だけあって3ヵ所以上パンクしないと沈まないという非常に丈夫な作りになっています。
九州の航路では1240海里、2300kmを運航したル ソレアル号
寄港地に着いてからはバスが手配されており、さらに効率よく観光地を巡っていく
そもそも、なぜフランスのクルーズが日本に?と思う方もいるでしょう。実はポナンのクルーズ船は砕氷船・耐氷船仕様になっており、毎年夏には経験豊富なエクスペディションチーム同行のもと、南極・北極を訪れる極地クルーズを催行しています。
極地クルーズを行わない夏以外の間は、他の場所でもエクスペディションクルーズを企画。セーシェル諸島やオーストラリアのキンバリー、中欧のダルマチア海岸など、毎年200以上のコースで運航し、これまで訪れてきた寄港地の数はなんと400以上もあるそうです。独自の冒険と体験が楽しめる航路が揃う中、今は日本を巡るコースが世界的に大人気とのこと。2024年も3~5月にかけて沖縄や瀬戸内、九州を巡るコースが発表されており、海外からの申し込みが非常に多くなっている状況だそうです。
下甑島では早朝の到着にもかかわらず、島民の方々が大漁旗を手に盛大に歓迎してくれた
奄美大島で行われた歓迎のクロマグロ解体ショー。寄港地でのおもてなしも感動のひとつ







