我慢とは値動きを気にせず
「何もしない」こと
では、「我慢」とは一体どういうことだろう? 実は長期に保有し続ける上で最も必要なことがこの「我慢」なのである。
先ほども書いたように、本来ならば投資で一番の正解は人と逆のことをすることである。みんなが歓声を上げて買いに殺到する時に一人冷静に売る、あるいは逆に、暴落して誰もが悲嘆に暮れている時に勇気を出して買いにいく。それができる人なら我慢などというものは必要ない。でも、ほとんどの人にとってそんなことはできないだろう。
であるならば、次善の策は「何もしないこと」である。マーケットというものは上がり下がりを繰り返しながら、人類が経済活動を続けていく限り、非常に長期で見ると緩やかに拡大していく。だから、その間の上がり下がりは単なるノイズだと思って何もしないことである。
大相場になっても大暴落しても“我関せず”で何もせずに放っておく。積み立て投資であれば淡々と毎月一定金額で投資を続ける。実はこれもかなり胆力のいることではある。下がった時に我慢せずに売ってしまう人は多い。
株で一番やってはいけないのが暴落した時に売ってしまうことだが、往々にしてそういうことは起こり得る。では、これを防ぐにはどうすればよいか?
答えは簡単で、相場を見ないことだ。積み立て投資であれ、一括投資であれ、いったん投資方針を決めたら日々の値動きを気にする必要はない。テレビの経済ニュースで株価の暴落が報じられても、見る必要はない。そうやって20年もたてば、ある日自分の資産を見ると驚くほど増えていることに気付くだろう。
そんなウマい話があるのか?と思うかもしれないが、これは別にウマい話でも何でもない。
実際に投資で資産を築いた人が、みんなやってきていることだ。要は日々の動きにまどわされることなく、下がった時に慌てて売らないという我慢が何よりも大事だということなのである。