たとえば、目標から逆算して、最短距離でゴールまでたどり着けるようにするための戦略。自分に必要な課題を見極めるための解像度の上げ方。他人の知恵を借りながら、自分が行う必要がない勉強を外注化する技術。習慣化して無理なく継続する技術。技術を身につければ、気合や根性などに頼らなくても、よい成果を出すことができます。自分としては努力しているつもりはないのに、気づいたら努力したのと同じ成果を得ている。
「努力して」歩かなくても、電車に乗れば会社に着くのと同じようなことです。「才能がなくても、誰でもできる!」みたいな実用書をよく見かけますが、成果を出すためにもそういう方法論があります。つまり、努力をせずとも成果を出せる「マニュアル」があるのです。
目標を設定してから
勉強をスタートする
多くの人は「勉強」について、難しく考えすぎています。勉強とは、シンプルに言うと「できないことを、できるようにする」という行為です。そのためには「できないこと」、つまり「課題」の解像度を上げないといけません。もっと言えば「○○について勉強する」ということ自体が、より大きな人生の課題を解決するための手段なのです。
「勉強することそのものが目的です」という考えの方ももちろんいらっしゃいますが、この本の読者の皆さんには、あまり当てはまらないと思います。もしそうであるならば、勉強の先には「仕事や人生をよりよくしたい」という目的があるはず。そのための手段である勉強に、いろいろと他の意味を持たせても、ただノイズになるだけです。これは、学生の勉強と社会人の勉強の、大きな違いかもしれません。
学校では基本的に、知識を身につけることを目的として勉強します。しかし、学校を卒業したら、学校で得た知識は「あると有利になることが多い武器」ではありますが、「最終的な目的」ではなくなります。社会人にとっては、勉強ができるということよりも、それを「どう活かすか」を考える力の方が大切な要素になります。