おさらいしよう。経済にとって悪いニュースは株式にとって良いニュース。経済にとって良いニュースは株式にとって悪いニュース。今また、これが起きている。原因はインフレ、もっと言えば、インフレ懸念だ。今回のきっかけは、予想外に低調だった8月29日発表の米求人件数だ。エコノミスト予想を50万件余り下回り、自発的な離職者の数も新型コロナウイルス流行前の水準に戻った。投資家はこれを、企業が需要縮小を目の当たりにし、消費者が自信を失っているという業績にとって悪い兆候とは受け取らず、代わりに景気減速を意識して喜んだ。米連邦準備制度理事会(FRB)に対する利上げや高金利維持への圧力は弱まることになるため、債券利回りは低下し、株価は上昇した。
米金融市場のパラダイムシフト
20世紀の大半にわたり、株価と債券利回りは逆方向に動いていたが、昨今の投資家が見慣れているのは、同じ方向に動く株価と債券利回りだ
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