「音声録音機能」により
大病発見の可能性も
睡眠リズムについては、1週間を通して就寝と起床の時刻の中央値を計測し、スコアが発表される。睡眠リズムのスコアが高ければ高いほど、ゲームを有利に進めるアイテムが多くもらえる仕様だ。
「休日になると途端にリズムが乱れる人は多いですが、リズムが乱れると質の良い睡眠が取れなくなります。仕事の日も、そうでない日も、同じ時間に床に就き、同じ時間に起きるように心がけるのがベスト。ゲーム内のボーナス目当てに、自然と『リズムを整えよう』と思えるのは良いですね」
寝不足と、睡眠リズムの乱れ。2つの大きな課題をゲームと関連づけて解決に導こうとする設計は、ユーザーの睡眠に対する意識向上につながるだろう。
「ポケモンのアプリゲームといえば、実際に歩いてポケモンを育てる『ポケモンGo』がありますが、『Go』で昼間にしっかり動けば、夜はよく眠れるようになります。つまり、『スリーブ』のスコアが上げやすくなるのです」
ポケモンアプリゲームの合わせ技で、健康習慣が手に入る。ゲームが、運動と睡眠の重要性に気付くきっかけとなっているわけだ。
そして加賀氏は「気付くきっかけで言うと、『ポケモンスリープ』には大きな病気を発見できる可能性のある機能も備わっています」と話す。
「眠っている最中に一定以上の音量を検出すると、音声を録音してくれる機能がありますが、これにより、自分の“いびき”に気付けるようになります。いびきは『睡眠時無呼吸症候群』を見つける大きな手がかりですが、就寝中のことなので自分では気付けない。この機能は、予備軍も含め日本に2200万人いるとされる睡眠時無呼吸症候群の患者を救う機能だと思います」