睡眠の質を妨げない
上手なスマホの使い方
あくまでもスマホ向けのアプリゲームでありながら、アプリゲームならではの方法で睡眠と向き合わせてくれるのが「ポケモンスリープ」だ。しかし、スマホは、一歩間違えると質の良い睡眠の妨げになりかねない。ゲームをエンジョイしつつ、睡眠に悪影響を及ぼさない付き合い方とは?
「まず、よく言われることですが『寝る前はスマホを触らない』というのはマストです。スマホから発せられるブルーライトにより、寝つきが悪くなったり、睡眠の質も落ちたりします。『ポケモンスリープ』は寝る直前に計測開始のスタートボタンを押す必要がありますが、それくらい短時間の操作なら就寝直前でも影響はありません。寝る1時間前からスマホは触らないようにし、直前に計測開始のボタンを押すようにすると良いですね。この時、液晶画面が明るすぎると短時間の操作でも刺激になるので、『今夜はもうスマホを触らない』と本体を手放すタイミングで、画面の輝度を落とすようにしましょう」
スマホの明るさは寝る直前だけでなく、寝ている間にも影響しかねない。
「計測のためにはスマホを枕元に置いておく必要がありますが、厄介なのが“通知”。通知と連動して、ランプが光ったり、音が鳴ったりすると、睡眠の邪魔になります。通知をオフにするか、音や光の出ない設定にするのをお忘れなく」
加賀氏はもう一つ、「ゲームのための“眠りすぎ”は禁物」と警鐘を鳴らす。
「ハイスコアを出したいあまり、眠くもないのに無理やり8.5時間以上寝ようとしたり、『昼寝の分も得点に加算させよう』と長すぎる昼寝を取ったりというのは、睡眠サイクルを乱す行為です。『あくまでゲーム』と割り切り、気楽な気持ちで続けましょう。大事なのは、よく眠ること、規則正しいリズムで眠ること、そして、その生活を続けることです」
リリース当初、ファンが作ったと見られる「ポケモンスリープ」の攻略サイトやSNSでは、「8.5時間以上寝るために睡眠薬を飲もう」などと、無責任で安全性が保証されていないコメントも散見された。しかし、ゲームのために健康を犠牲にしては元も子もないし、反則技を使ってプレイしても面白くないだろう。正々堂々ゲームを進めてピカチュウやカビゴンを育てるためにも、“規則正しくたっぷり寝る”という基本を大切にしてほしい。