すると、「日常的につきあいがある」と答えた人の幸福度が圧倒的に高いという結果が出ました。次いで「挨拶程度」、そして「とくにない」と回答した人はあまり幸せでない傾向があることがわかりました。もしかすると、幸せだから生活に余裕があって近所づきあいをするのかもしれません。しかし、余裕がなくても、「こんにちは」「こんばんは」の挨拶はできます。それだけでもいいのです。

 ある程度慣れたら、そこに「今日は暑いですね」「雨ばかりですね」といった天気の話でも加えれば、だいぶ変わってくるはずです。

 私はアメリカ留学時代にひとり暮らしをしていたので、挨拶のありがたさを実感しました。ほとんど1日中家にこもって勉強をしていると気が滅入ってくるものです。そこで気分転換を兼ねてスーパーに買い物に行くと、店員のアメリカ人に「やあ、元気か?」などと、よく話しかけられました。

 それに対して、「うん、元気だよ」などと答えるだけのたわいのないやりとりなのですが、そうした会話をするだけでも気が晴れてきます。もし、スーパーでの買い物が無言で終わっていたら、気分はずいぶん違っていたことでしょう。

 ですから、近所の店やコンビニに買い物に行ったときにも、仏頂面でレジに行くのではなく、ひと言だけでもいいので、「ありがとう」「お世話さま」といってみてはいかがでしょうか。それだけでも幸福度が上がるでしょう。