9月13日、ロシアのプーチン大統領と会談した北朝鮮の金正恩労働党総書記9月13日、ロシアのプーチン大統領(右)と会談した北朝鮮の金正恩労働党総書記=アムール州・ボストーチヌイ宇宙基地 写真:朝鮮通信=時事

ロシアを後ろ盾にした北朝鮮の
挑発行動がエスカレート

 ロシアを訪問した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党総書記は9月13日、プーチン大統領と、ロシア極東のポストーチヌイ宇宙基地で首脳会談を行った。

 プーチン・金正恩会談は、19年4月に次いで2度目である。前回のプーチン・金正恩会談は、同年2月の米朝首脳会談の「ハノイノーディール」で金正恩氏が体面を失った直後に開かれた。この会談は、金正恩氏の政治的立場の回復のためのものであったが、金正恩氏の当時の立場は交渉力が弱く、プーチン氏は金正恩氏が望むものを与えなかった。

 しかし、今回のロシアと北朝鮮の状況は違う。金正恩氏は朝ロ関係の強化に自信を見せている。自信を示す端的な行動が13日午前に行われた、日本海に向けての弾道ミサイル2発の発射である。

 北朝鮮は先月30日にも短距離弾道ミサイル2発、今月2日には巡航ミサイル2発を発射しており、ロシアという後ろ盾を持った金正恩氏が、国連制裁を全面拒否し、一層の挑発行動をエスカレートする兆候を早くも見せている。

 朝ロの密着は欧州と朝鮮半島の安全保障に重大な危機を招きかねない事態を巻き起こしている。