中国の煮え切らない姿勢が
朝ロを一層近づけた
ロシアと北朝鮮は国際社会から制裁を受け、軍事的にも経済的にも窮地に立たされている。もともと北朝鮮は、中国との関係が深く、ロシアとは必ずしも緊密な関係にはなかった。その両国が手を握ったのは、中国の煮え切らない態度にも一因があるだろう。
中国は、ロシアと北朝鮮が違法な武器取引を巡って関係を強める過程で、国連制裁違反の「共犯」と批判される状況を避けるように、朝ロの動きと距離を置いている。こうした中、ロシアは北朝鮮との戦略的連携をためらわなかった。
これに対し金正恩氏は、「朝ロ関係を最重要視し、発展させることはわが国の確固たる立場だ」と述べ、ロシアを重視する姿勢を示した。ちなみに、金正恩氏は習近平体制が3期目に入って以降、最も関係の深い中国を訪問していない。
最近、米中対立が小康状態の局面を見せている状況で、中国は、ロシアのウクライナ侵攻に加担し、北朝鮮を一方的にかばっていると見られることにやや慎重な態度を示している。
中国外交部の毛寧報道官は12日、「北朝鮮指導者のロシア訪問に関することは北朝鮮とロシアの間のスケジュール」と短く答え、両国の接近に距離を置いた。中国のこのような態度は、朝ロ密着に対する中国の複雑な内心を読まれないようにするジェスチャーだという見方と、中国が朝ロとともに日米韓連携に対抗するもう一つの陣営だと認識されることが今後の対米関係に役立たないためとの見方がある。
中ロは最近、艦艇による射撃演習や爆撃機の共同飛行を行っている。これに北朝鮮を加え、中ロ朝の合同の軍事演習実施をするとの観測が絶えない。中国が朝ロの密着に肩入れしないようけん制していくことが重要である。そのためにも、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が提案している日中韓首脳会談が年内に実現するよう、日韓が外交的な力量を結集していく必要がある。