ロシアの技術供与により
「恐怖の兵器」実用化の恐れ

 今回の朝ロ首脳会談がもたらす今後の影響については、ロシアがミサイル弾薬を入手することでウクライナ戦争が長期化すること、および、北朝鮮が日米韓の安保協力強化に対抗して核ミサイル開発を一層促進することが予想される。

 北朝鮮は先月、軍事偵察衛星の打ち上げに失敗したと発表したが、今も打ち上げに成功していない。北朝鮮は、ロシアからの技術導入を受け、こうした弱点を克服していくだろう。

 今のままであれば、日米韓が北朝鮮を押さえ込むことはますます困難になっていく。それを防ぐためには、日米韓の協力を一層強固にし、強力な安保体制を構築していく必要がある。

 北朝鮮は、金正恩氏のロシア訪問の直前に戦術核攻撃潜水艦「金君玉英雄」の進水式を公開した。これは10基のミサイル発射管を無理に取り付けるなどして既存の中型潜水艦を奇異な形に改造し、正常に機能することが困難なものであるとみられている。また、北朝鮮は今年に入り、上空150~800メートルの間でミサイル空中爆発実験を繰り返している。

 こうした金正恩氏の大量破壊兵器開発に「パズルの最後のピース」になるかもしれない関連技術をロシアが与え、北朝鮮が恐怖の兵器を実用化する可能性が出てきている。