1.6L直4とモーターを
組み合わせたPHEVモデルも

 試乗車が装着していたミシュランeプライマシーのグリップ力は十分に高いので、腕の立つドライバーであればかなりのペースを保ったままワインディングロードを駆け抜けられるはずだ。高速走行時の姿勢も落ち着いていて安心感が強い。ロードノイズや風切り音が効果的に抑えられていて車内が静かに保たれる点にも好感を抱いた。

 GTに搭載される1.2Lの3気筒ターボは、いい仕事をする。巡航時であれば目立ったノイズや振動を生み出すことはなく、不満を覚える場面はなかった。ただし、1430kgのボディに対して130ps/230Nmのスペックである。余裕がふんだんにあるわけではない。交差点の発進で出遅れるとか、高速道路の本線合流に手間取る心配はないが、アクセルを深く踏み込むと、3気筒らしいバイブレーションがわずかながらも感じられることは指摘しておくべきだろう。

 運転支援装置は充実していて、内外装の質感は高い。プジョー独自のiコクピット(小径ステアリングの上からメーターパネルを確認するレイアウト)に慣れるには少し時間がかかるかもしれないが、表示自体は見やすいし、未来感が漂っていてスタイリッシュ。それでいながら価格は499万円と500万円を切っているのだから、かなりのバリューフォーマネーといえる。

 なお、エンジンのパフォーマンスや振動が気になるユーザーには、価格は600万円以上になるものの1.6L直4とモーターを組み合わせたPHEVモデルを検討することをお勧めしておきたい。

(CAR and DRIVER編集部 報告/大谷達也 写真/山上博也)

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【訂正】記事初出時より以下の通り訂正します。
タイトル:プジョー406→プジョー408
(2023年9月28日12:32 ダイヤモンド編集部)