アントニオ・グテーレス国連事務総長は、人類が「地球沸騰化」の脅威に直面していると警鐘を鳴らした。クウェートで屋外作業に従事する移住労働者たちは、カ氏120度(セ氏約49度)を超える気温の下で長時間働いていることから腎臓疾患を抱えている。各国海軍の戦略家らは、北極圏の海氷減少が極北地域での戦闘に及ぼす影響を分析している。記録的な暑さ、異常気象、破壊的な暴風雨、荒れ狂う山火事に見舞われた今年、気候変動対策を推し進める抵抗不可能と思える政治的機運と、世界システムの中で変化を拒んでいるように見える政治・経済の現実との衝突が激化している。一方、二酸化炭素(CO2)排出量が増えている中でも、気候変動対策に伴うコストへの反発が高まっている。ドイツでは、エネルギー価格の高騰を受けて製造業者らが生産拠点の国外移転を検討していることから、企業幹部や政治家たちは産業空洞化の恐れがあると警告している。内燃機関車から電気自動車(EV)へのシフトにより、世界の自動車産業で雇用が減少し、中国が自動車製造で圧倒的な地位を占めるかもしれない。中国では2500万台ものEVが売れ残っているため、政府の補助金に支えられた同国のEVメーカーは輸出を加速させ、国外市場は中国車であふれている。中国は自動車輸出台数で既にドイツを抜いており、世界トップの座を日本から奪う勢いだ。