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最近、20代や30代前半の若い方が不動産(自宅)を購入した例を数件見聞きしました。綿密な計画を建てて購入し、安定して支払いができている方が多いのですが、中には「これは無謀だろう」と思う方もいます。「これから先も1人で暮らすから」「ペットのために」そうした理由で不動産購入に踏み切るのですが、家は大きな買い物。資産や支払いの計画が甘いと、お金の面で行き詰まりかねません。「今は支払える」と安易に決断せず、先々の暮らしや家族の変化などさまざまな点を考慮してから購入を計画してほしいのです。「いざ困ったら売れば良い、貸せば良い」そう言う方もいますが、それでは甘いのです。(家計再生コンサルタント 横山光昭)

「賃貸マンションの家賃より月々の支払いが安いから」
ネコのためにマンションを購入

「だんだんと家計が苦しくなっている」と相談に来られたのは、マンションを購入して2年ほどたつという、男性会社員のTさん(28歳)。購入後は毎月の住居費の負担が減ったものの、貯金が全くできず、むしろ少しずつ減ってきている状況。将来を考えると今のままではいけないと考え、相談に来られました。

 ご自身としては、マンション購入は、賃貸マンションの家賃約12万円より安く住むことができ、財産にもなるので、良い買い物をしたと思っているそう。満足そうに話していますが、Tさんの家計状況の悪化には、このマンション購入が大きく影響しています。

 賃貸マンションに住んでいた頃、Tさんは手取り月収(25万円ほど)内でやりくりでき、貯金もできていました。ある時、ひょんなことからネコを飼うことになり、大切な家族としてかわいがるようになりました。愛猫の健康維持のためにえさは高品質なものを選び、遊び道具や爪とぎ、ベッドなどのグッズにもこだわり、お金がかかるようになったのです。自分自身には生命保険をかけていなくとも、猫には保険をかけて備えるほどのかわいがりようです。

 支出が増えると、毎月の収入から貯金をすることができなくなってしまいました。ボーナスをいくらか貯金に回すので精いっぱい。幸い、これまでためてきた約300万円の貯金は崩さずにいますが、今の支出を続けていたら、いつその貯金に手を付けることになるか分かりません。ネコとの暮らしを続けるために支出について考え、ペットを飼える家賃の安い物件に転居しようと決めました。