JR東海で「語り継がれる難工事」品川駅の開業が変えた“新幹線の未来”とは?東海道新幹線品川駅は10月1日で開業20周年を迎えた Photo:PIXTA

10月1日、東海道新幹線品川駅が開業して20周年を迎えた。同日に実施した2003年のダイヤ改正は、東海道新幹線を抜本的に生まれ変わらせる画期的なものとなった。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

ダイヤ改正により
「のぞみ」が中心に

 2003年のダイヤ改正の目玉は、旧型の100系車両引退に伴い全列車の最高速度270キロ運転が可能になり、それまで1時間当たり最大で「のぞみ」3本、「ひかり」6本、「こだま」3本だったダイヤが、「のぞみ」7本、「ひかり」2本、「こだま」3本という「のぞみ」中心のダイヤになったことだ。

 1992年に1日2往復運転から始まった「のぞみ」により、東京~新大阪間は最短2時間30分で結ばれるようになった(「のぞみ」誕生の経緯は過去記事参照)。

 翌年に運転本数は毎時1本、1996年に毎時2本、2001年に毎時3本の運行が始まったものの、主力の「ひかり」は3時間前後を要していた。どの列車に乗っても当たり前のように2時間30分程度で到着するようになったのは、この20年のことである。

 そんな革新的な日に開業した品川駅だが、さっそうと東京駅を出発した「のぞみ」の大半が、すぐに品川駅に停車したことに面食らった人もいただろう(当時は「のぞみ」の6割停車、2008年以降全列車停車)。なぜ、東海道新幹線に品川駅が必要だったのか。実は一連の変革の中心に、品川駅新設構想があったのである。