2024年モデルのT-specは
見事にライバルに追いついた
足回りはよく引き締まっているのに硬い印象がない。バネ下が軽く、路面の凹凸に合わせてよく動いてタイヤをしなやかに追従させる。車体をぶれさせることなくフラットな姿勢を保つのだ。2022年モデルはもっとハーシュネスがあった。だが2024年モデルは不快な印象が皆無。素晴らしい足に仕上がっている。
GT-Rは絶対的ともいえる性能で、多くの外国製高性能車を圧倒してきた。ただ上質な乗り味、という点ではポルシェやM、AMGに対して後塵を拝してきた。ところが2024年モデルのT-specは見事にライバルに追いついた。快適な乗り心地とともにドライブフィールのクオリティにおいても、いままでのGT-Rとは一線を画している。
加えて、ハンドリングの一体感も増している。ステアリングは軽く、それでいてしっかりとした接地感がある。GT-Rは速いが乗せられているような感覚と評されることが多かった。最新版は応答遅れや重さ感が払拭されていて、まさしく意のままに操れるようになっている。
実は、なんとか2024年モデルを買いたいと考えていた。だが、もう手遅れだ。それでも、このタイミングでこんなに大きく変えたからには、もうしばらく現役続行するのは確実。次の機会までに、なんとか購入資金のメドをつけておこうと、いま真剣に思っている。
(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/山上博也)