「素直さ」「謙虚さ」「前向き」「利他心」「反省」。どれもリーダーに必要な資質ですが、これらを持っていたとしても不十分です。実は、リーダー失格な人には「たった1つの資質」が足りないのです。(小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶)ダイヤモンド・オンラインで2023年10月14日に配信した記事を再配信します。
「自分だけが勝とうとする人」は
リーダー失格
小宮コンサルタンツ代表
10月の人事異動の際などに、昇格や転職によってリーダーに就任した人も多いはずです。
リーダーが持つべき資質は、松下幸之助さんが挙げる「素直さ」「謙虚さ」を基礎として、その上に「前向き」「利他心」「反省」の3つの姿勢を築く必要があるということは、このコラムでお話ししました。
それらは確かにリーダーに必要な資質ではあるけれど、実はそれだけではリーダーとはいえません。
リーダーとは何か。そもそも論から言うと、「リーダーとは『チームを勝利に導く人』であり、リーダーとしてうまくいかない人は、『自分だけが勝とうとする人』である」とファーストリテイリングの柳井正さんは著書の中で語っています。
この考え方はとても大事で、昇進を意識するあまり、「自分が、自分が」と目立ちたがり、何でも自分の手柄にしようとするリーダーは、部下たちの信頼を得ることができません。
もちろん昇進したいという前向きな気持ちは持っていて当然なのですが、昇進はチームを勝利に導いた後、周囲の評価によって、結果として決まるもの。このような原理原則を心得ていないとうまくいきません。