「二度とないはずだったことが今起きている」「今も、そしていつも、われわれはイスラエル国民を支持する」「イスラエルの民は生きている」。7日にイスラム組織ハマスがイスラエル市民に残忍な攻撃を行って以降、筆者のインスタグラムのフィードには、こうした投稿が表示されている。ソーシャルメディアへのこれらの投稿によって、筆者が通う寺院の信徒である友人や、筆者のバット・ミツバ(ユダヤ教徒の女子が12歳になると行う成人式)に出席した同級生、筆者が大祭日を共に祝った家族は皆、イスラエルという国家との連帯を宣言している。しかし、画面のスクロールを続け、自分の個人的な世界の外に出てみると、インスタグラムには、より広い世界が広がっている。ユダヤ人やイスラエルへの支持を表明している投稿もあれば、ある種の「文脈」を提供しようと試みているものもある。大学関係の知人の1人はグラフを用いて、「今年は(イスラエルの)占領下にあるパレスチナ人にとって、何十年かで最多の死者が出ている年」であることを説明した。マンハッタンのあるレストランの経営者は自らのフォロワーに対し、「もう一方の意見を聞く責任」があると注意を促した。彼はその後、反発を受けて謝罪し、投稿を削除して、「私は中東の平和のみを望んでいる」と書き込んだ。別の人は自分のフィードに表示されたコメントから影響を受け、何時間かの間に意見を変えていた。自分のエコーチェンバーからさらに離れると、ハマスのメンバーのことを、音楽祭に侵入し残忍な行為をして若者を殺害したテロリストとしてではなく、自らの義務を果たした英雄として扱う投稿もあった。