芥川賞の選考は
どのように行われるのか
芥川賞を決めるには、まず候補作を決める。候補作は、主に出版5社(文藝春秋、新潮社、講談社、集英社、河出書房新社)の発行する文芸雑誌5誌の中で、対象期間である半年間に掲載された短編小説から、日本文学振興会によって5~6編が選定される。
そして、それらを数人の選考委員であるベテラン作家が読み、受賞作を決定する。
候補作を選ぶのも、受賞作を決めるのも非公開で、もちろん基準といったものはない。候補作選びについては、共催の文藝春秋発行の雑誌「文学界」に載った小説が多少有利にも見えるが、全体として明らかにおかしいと感じる点はない。
選考委員による選考会も、健全に行われている範囲と言っていい。例えば外部の圧力を受けて特定の候補を推すとか、1人の強い意見で押し切られるとか、見る目がなくて良い作品を落選させてしまうとか、そういったことは少ない。つまり、選考自体はほぼ妥当で健全と言っていいのである。
にもかかわらず、なぜ低迷してしまうのか。