中国の不動産不況はディストレスト債投資家に数十億ドル規模の投資機会をもたらした。ただし、それはまだ報われていない。中国の不動産セクターは数年に及ぶ市場低迷に苦しんでいる。国内経済を圧迫する要因となり、各地で抗議行動も起きている。S&Pグローバル・レーティングのデータによると、2021~22年には中国の不動産開発会社の外債およそ810億ドル(約12兆1500億円)相当がデフォルト(債務不履行)した。不動産セクターでデフォルトが相次いだことは、多くのディストレスト債ファンドにとって魅力的な出来事だった。ディストレスト債ファンドは、経営難に陥っている企業の社債や融資債権を購入(多くの場合、額面を大きく下回る価格で購入)し、債務再編計画を策定するためにその企業と交渉する。香港のトレーダーによると、これらのファンドは2年前に市場に殺到し、不動産開発会社の中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)や合景泰富集団(KWGグループ)、中国奥園集団(チャイナ・アオユエン・グループ)の既発債を大量に購入した。
中国不動産社債、「額面の2割」が底値にならず
不動産セクターの好転に賭けたディストレスト債ファンドは大損の憂き目に
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