東京都・練馬区の中学校の校長だった男が、教え子に対する凖強姦致傷などで逮捕されている。この校長は他の女子生徒の裸の画像を所持したことでも逮捕されているが、「好きになってしまい性的欲求を抑えられなかった」と供述しているという。

 また、現在公判が行われている別の教師による性犯罪事件では、教え子の小学生への準強姦未遂などで逮捕された教師の男が「レイプなんてしていません。当時(被害者と)交際していました」と無罪主張していることが報じられている。

 今でこそこういった主張は「あり得ない」と感じる人が多いだろうが、少し前までは「子どもから誘うこともある」「ませた子どももいる」などと言う人もいたし、被害者や被害者家族が責められることもあった。

子どもとの「恋愛」望む成人から
子どもを守る意識の高まり

 今年行われた性犯罪刑法の改正の中で、性的同意年齢が引き上げられたことや、昨年4月に施行された「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」により、少しずつ社会の意識に変化があり、子どもとの「恋愛」を望む成人から子どもを守る意識が高まっているように感じられる。

 子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないことを証明するため仕組み「日本版DBS」の法案提出は来年以降に先送りされることになった。しかし保護者たちの危機感は強く、遅かれ早かれ、日本でもDBS制度が採用されることとなるだろう。後年から見て遅すぎる処置とならないよう、被害の実態は今後も周知されていくべきだ。