ジャニーズファンはどこへ向かうのか?目からウロコが落ちた当事者たちの吐露ジャニーズ事務所解体後、ファンたちはいったいどこへ向かうのか。その本音から気づかされることは多い(写真はイメージです) Photo:PIXTA

日本のエンタメ業界の中で最も知名度が高いと言ってもいい芸能事務所が、この度社名変更を行った元・ジャニーズ事務所であっただろう。累計ファンクラブ会員数が1300万人以上と言われるこの巨大グループのファンたちは、今どのようなことを考えているのだろうか。この時代において、誰かのファンであったり誰かを「推し」したりしている人は、このような問題を他人事と思えないはずである。(フリーライター 武藤弘樹)

いまだ波紋広がるジャニーズ問題
ファンに聞いて改めて気づいたこと

 故ジャニー喜多川氏の性加害問題を受けて、ジャニーズ事務所が社名を変更し、今後被害者への補償業務に専念することを発表したのは周知の通りである。同事務所が企業としての姿勢を示し、補償への一歩がようやく踏み出されたという意味では、一つの場面転換を迎えた……はずであった。

 だが、補償を宣言したその会見自体も新たな火種となった。ジャニーズ問題は各方面への余波も凄まじい。会見から3週間弱が経過した本日、試しにネットニュースを見ても、ジャニーズ関連のものが依然として強く注目されているし、だいたいどれもがネガティブな切り口である。陰惨な事件が発端となった問題だから、それもそのはずであろう。

 ファンの行動や心理についても、度々取り沙汰されてきた。性被害を訴える当事者に「売名」や「嫉妬」などの、耳を疑うほど害意ある言葉を投げつけた一部の過激なファンの姿は、一般人(非ファン)にとってやはり衝撃的だったし、「タレントを応援する形でジャニーズ事務所を支援してきてしまったことに対して自責の念に苛まれる」といった、ファンの内面にかなり深くまで踏み込んだ記事もあった。

 当記事は、もともとファンの心理やファンの今後の行方についてまとめるのが趣旨であったが、執筆にあたってジャニーズファン数名に直接話を聞いたところ、新たに気づいたことというか、再認識させられたこともあったので、これを共有したい。