2.被害がネット上に
残り続けるかもしれない恐怖
今年の刑法改正で「撮影罪」が新設され厳罰化が進んだものの、これまで盗撮が条例違反の軽い罰則だった背景には、その被害が軽視されてきたことがある。
実際、高性能の撮影機器を一部の人しか持たない時代であれば、犯行は行いづらかったし、撮影された画像や動画が拡散されることも少なかった。
しかし、現代ではそうではない。また、不同意性交や不同意わいせつの際にその犯行が撮影され、それが被害者をさらに苦しませることもある。こうしたことから新設されたのが性的姿態撮影罪である。
3.子どもに対する「性暴力」に
関しての意識の変化
子どもの性被害は、加害者による口止めなどから発覚することが少なく、認知件数の何倍もの被害があると考えられる。また、子どもの性被害は「いたずら」などと矮小化されることも多かった。
さらに教師と生徒との「恋愛」は、タブーでありつつも、それ自体が犯罪であるという認識が希薄なところがあった。
しかし最近では、「性的グルーミング」や「地位関係性を利用した性暴力」という考え方が広まりつつある。教師のように、学生・生徒・児童に指導する立場の大人が、その地位を利用して年少者に言うことを聞かせるのは容易い。また、尊敬や信頼の念を逆手にとることも容易である。
恋愛や性的同意は対等な立場の両者の元に行われるものであるところ、教師と生徒、指導者と教え子は対等な関係になりづらい。そのような考え方が広まってきたことも意識の変化の一つだろう。