低価格の小包が免税で税関の検査もほとんど受けずに米国内に輸入できる法律が、中国発のeコマース(電子商取引)企業「Shein(シーイン)」と「Temu(ティームー)」の飛躍的な成長を可能にしている。800ドル(約12万円)未満の小包はデミニマス免税として知られる簡略化された手続きで米国内に輸入できる。議員や一部の米企業によると、これは中国企業が非常に大きな規模で利用している抜け穴であり、これを利用することで安全ではない製品や強制労働で生産された製品の出荷が可能になるとともに税金を回避している。米税関・国境警備局(CBP)によると、2022年度(22年10月~23年9月)には過去最高の10億個以上の小包がデミニマス免税対象として米国内に持ち込まれた。これは19年度の2倍の多さだ。米議会による別の調査では、シーインとティームーだけでこれらの小包の約3分の1を占めていることが分かった。この2社のアプリは4ドルのTシャツや10ドルのヘアドライヤーなどによって何千万人もの米国人を引き付けている。