中国の戦闘機が米軍機を挑発するなど、台湾周辺への飛来を増やす傾向が見られる。また中国の沿岸警備隊は南シナ海で米国の同盟国と対峙(たいじ)し、衝突事故も発生した。このような米中対立が続く中、両国軍による話し合いは膠着しており、米政府は一歩間違えれば状況がさらに緊迫化する可能性を懸念している。南シナ海の岩礁の支配権を巡るフィリピンと中国の対立は新たな火種で、米国がフィリピンを防衛するために巻き込まれることも考えられる。米国防総省の元当局者、ザック・クーパー氏は、「フィリピン政府がこの作戦で米国の支援を要請すれば、米国の艦船や航空機に対して中国がより深刻な問題をもたらすかもしれない」と述べた。米シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)」の安全保障アナリストを務めるクーパー氏は、フィリピンの船舶に対して行ったのと同じように中国船が軍用レーザーを使用するケースや、警告としてミサイル標的レーダーを米軍機にロックするシナリオなどが考えられるとした。