ジョー・バイデン米大統領は、全米自動車労組(UAW)とフォード・モーターが25日遅くに取りまとめた新たな労働協約を「歴史的な暫定合意」と呼び、団体交渉の意義を示すものだと称賛した。そうかもしれない。しかし、とりわけ政府主導の電気自動車(EV)への移行期においてフォードが競争力を維持できるかどうかによって、この合意の真価が決まる。フォードを含む自動車大手3社「ビッグスリー」の一部の工場を選び、ストライキを仕掛けるという、ショーン・フェインUAW会長の戦略は奏功したようだ。UAWが利益率の極めて高いフォードのピックアップトラック「F-150」の生産工場の労働者を職場放棄させると警告したことを受け、フォードは約6週間に及んだストを終結させる気前の良い協約に同意した。