ハロウィーンと重なった日銀の金融政策再修正は、一部の円強気派が期待したほど踏み込んだものではなかった。だが、円高がいずれ世界市場を怖がらせる可能性が消えたわけではない。日銀が米金利上昇に対応し続けなければならないとすればなおさらだ。日銀は10月31日の金融政策決定会合で、10年物国債利回りの上限を1%に抑える方針について、今後は同水準を「めど」にとどめる考えを表明し、実質的に終了した。一方で、経済・金融情勢に「機動的なオペ」で対応する方針も示した。これはおそらく柔軟性を高め、10年物国債利回りが持続的に1%を超えることを容認しつつ、市場の動きが速すぎる場合はちゅうちょせず介入する、ということを意味するのだろう。日銀は2016年以降、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の一環として、長期金利を抑えるために国債買い入れを行っているが、金利目標は段階的に修正してきた。