米連邦準備制度理事会(FRB)は先月、米国の世帯が保有する平均純資産が2022年に初めて100万ドル(約1億5000万円)を突破したと発表した。2019年の74万9000ドルから42%の大幅増だ。FRBが3年ごとに実施する消費者金融調査で明らかになった。もちろん、この平均値はもっと多くの資産を持つ少数の大富豪のせいでゆがみが生じており、インフレの影響を考えると実質的な富がこれほど増えたわけではない。新型コロナウイルス下の景気刺激策が資産価格を、恐らく基本的な価値以上に押し上げた面もある。だからといって富の増加は上位1%の層だけに起きる現象で、インフレと資産バブルで実際よりよく見えているだけだと結論づけるのは間違いだろう。