老人ホーム・サ高住・シニア分譲マンション 50代も必見!シニアの住まい選び#1

介護が必要になった親のために、あるいは自分のために有料老人ホームを探す際、重視すべきことは「予算」と「介護サービスの充実度」の兼ね合いだ。そこで、特集『老人ホーム・サ高住・シニア分譲マンション 50代も必見!シニアの住まい選び』の#1では、有料老人ホームの大手40ブランドを大分析。コスパに優れるブランドはどこか明らかにしよう。(ダイヤモンド編集部特任編集委員 田中久夫)

「5年総費用」と「サービス」の掛け算から
入居したいホームを絞り込もう

 介護が必要になった親のために、あるいは自分のために有料老人ホームを探す際、何を参考にしたらよいのか。

 最近はネット上でも、口コミ数によるランキングなどが散見されるようになったが、営業担当者が書いていたりするから参考にならない。

 実際のホーム選びで重視されるのは、何といっても「予算」だろう。ただし、概していえるのは、高いサービスを望めば、それなりに費用は高くなるということである。記者は多くのホームを取材してきたが、サービスと比較して割安でお得なホームに出合った記憶はほとんどない。

 目安として、5年間でかかる総費用(入居金+月額利用料×60カ月)が1000万円までのホームは、特別養護老人ホームの入居待ちをしている人などに適している。もちろんスタッフは少なく、食事も豪華ではないが、コスト負担は少ない。

 これに対して、4000万円以上のホームは、「“上げ膳据え膳”で生活したい」「わがままも聞いてほしい」という富裕層向けのホームといえる。

 一方、サービスの充実度はどう判断すればよいのか。

 例えば、看護職員や介護職員が1人当たり何人の要支援・要介護者を見ているのか、さらに職員に占める介護福祉士やベテラン介護職員の比率などの人員体制が挙げられる。これに加えて、「看取り介護加算」や「科学的介護推進体制加算」(サービスの質や科学的介護の取り組みを評価する加算。2021年度介護報酬改定で新設)といった各加算の取得状況を調べれば、そのホームが積極的に加算を取りにいっているのか、つまりサービス向上に前向きなのか否かが分かる。

 そこで次ページでは、ベネッセやSOMPOケア、ニチイグループなど有料老人ホームの大手が展開する40ブランドごとに、「5年総費用」と「介護サービスの充実度」を算出して、そのコストパフォーマンスが一目で分かる図を掲載した。後悔しないホーム選びにきっと役立つはずだ。