毎年秋に行われる各大学でのミス・ミスターコン(ミスキャンパス)。女性差別やルッキズムであるという批判から、最近では取りやめたり、企画を変更したりする大学もある中で、今年も議論が巻き起こった。(取材・文/フリーライター 鎌田和歌)
「京大にミスコン文化を持ち込むな」
西郷南海子氏の問題提起が持つ意義
「京大にミスコン文化を持ち込むな」というX(旧ツイッター)上の発言で話題になったのは、京大大学院卒で教育学者の西郷南海子氏だ。
これがネットTV『ABEMA Prime』で取り上げられ、出演するコメンテーターらと意見が交わされた。
ちなみにこれは、京大でミスコンが行われそうだという話ではない。京大の学園祭ではこれまでミスコンは行われてこなかった。しかし外部のミスコンに出場した京大生が同大のPRサイト「ザッツ・京大」で取り上げられたことから、西郷氏は問題提起に至ったようだ。
サイトを見ると、この京大生のインタビューは全体を読めばミスコンに触れる箇所は少ないものの、タイトルやリード部分でミス・ワールドの日本代表に選ばれたことに触れており、このキーワードで注目を集める意図が伺える。
https://www.thats.pr.kyoto-u.ac.jp/2023/10/25/13960/
放送の様子をまとめたABEMA Timesの記事によれば、西郷氏は番組内でこんなふうに語っている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/db8650105af7a89698718af2bbc520d64aff5527
「(美の基準は)数字に置き換えたり、ランキング付けできないものだと思っている」
「特に女性の美しさは資本主義社会の影響を強く受けている。例えば、20世紀前半の絵画は脇毛がある。しかし、次第に絵の中から消えていった。それは意識が変わったというよりも、カミソリメーカーが大々的に広告を打ったから。“美しさ”というものがあるようで、実は社会的に作り上げられていることを見落としてしまいがちだ。大学は過去を振り返りながら新しい価値を目指していく場所だと思うので、ミスコンはなくていい」