これは個人的にはとても納得できる意見だと感じた。教育学者として、あるいは京大OGとして大学のあり方を主張している。

 ミスキャンパスは一時期全国的に盛り上がり、最近でもミスキャンパスの中での優勝者を選ぶコンテストが行われている。東京大学や千葉大学などの国立大学でもミスコンやミスターコンが行われ、その公式サイトではファイナリストに選ばれた学生たちの写真を見ることができる。

 ミスキャンパスの優勝者がアナウンサーになったり芸能活動で活躍したりするケースはよくあるし、各大学のミスキャンパスには美容クリニックなどの企業が協賛している。

 京大といえば学生自治の強さや自由な学風が伝統であり、良くも悪くも「頭はいいけれどちょっと変わった人が行く」イメージが強い。これは推測だが、京大がこれまでミスコンを開催せず、それを学生の意見の一致としていたのは「他大とは違う価値観を有する京大だからこそという自負が強いことと無関係ではないように感じる。

変わるミスコンの受け止められ方
「チャラい」と敬遠されがちだった時期も

 大学ミスコンの上位入賞者がテレビ局に入社する流れは20年以上前からあったように思うが、面白いのはその受け止められ方だ。

 2000年代の半ば頃にはまだ「学生は勉強が本分である」として、大学のミスコンに眉をひそめる大人も少なくなかったと記憶している。現在のように「女性差別」や「ルッキズム」といった指摘ではなく、「学生がチャラチャラするな」といった趣旨の批判である。