2000年代後半か2010年代前半の頃だったと思うが、知人のニュースサイト編集者が「ミスコンを記事に取り上げたら、出場者を「スイーツ(笑)」と揶揄するコメントがついた」とぼやいていたし、筆者も「こんなものをわざわざ好意的に記事に取り上げるな」といったコメントを見た記憶がある。ちなみに「スイーツ(笑)」とは、流行に左右されやすいタイプの若い女性を指すネット上での当時の流行語だった。

 しかしその後、スマートフォンの普及やSNSの流行があり、学生のブロガーやインフルエンサーも珍しくなくなってくる。大学で勉強するよりも、社会人とのコネを作り起業を視野に入れるといった事例も目立ち始め、学生の努力の方向性が「勉強」一本ではなくなった頃から、「学生のくせに遊んでいる」という趣旨での批判は少なくなったように感じる。

 これは、ミスコン(あるいはミスターコン)に出場することでその後の自己実現につながるパターンが可視化されやすくなったこと(少なくとも一部の人がそう受け取る程度には)も、理由のひとつかもしれない。

上智大学は「ソフィアズコンテスト」へ
各大学の意向が顕著に

 そして2010年代後半になってからは、各地で行われてきたミスコンを「その地域をPRする人を女性に限定する必要はない」といった理由で取りやめたり企画変更したりするケースが見られるようになった。

 ミスキャンパスについても「ルッキズムを助長する」といった指摘が学生からも上がるようになり、たとえば上智大学では2020年度からミスコンを廃止して「ソフィアズコンテスト」を新設。

 性別に関係なく出場者を募り、2023年版のサイトを見るとファイナリストはそれぞれSDGsのうちのどの課題に取り組むかが明記されている。