ボジョレヌーボーの産地と品種
知っていますか?

 白ワイン用のブドウは「ソーヴィニヨン・ブラン」「リースリング」「シャルドネ」。ボルドーはソーヴィニヨン・ブランを中心にブレンドされる。ソーヴィニヨン・ブランは、気候によってライムからトロピカルまで風味が変わる。リースリングは、白い花の香りでシャープな酸味があり、アルザス地方などで使われる。

 ブルゴーニュは、白もやはりシャルドネの単一である。果実味が豊かで造り手や気候で味わいが変化する。

 そしてこれらの6品種は、ボルドーとブルゴーニュ、アルザス以外のワインにも使われているから、アメリカのカベルネ・ソーヴィニヨンとチリのそれという風に飲み比べてみることができる。シャルドネは同じフランスのシャンパーニュの主要品種でもある。

「ワインは知識でなく経験、という言葉があります。『今日は、ニュージーランドのピノ・ノワールを飲んでいるんだ』と頭で思いながら、じっくり味わう。これを積み重ねることで、だんだんと深淵なワインの森に入っていき、面白くなっていくのです」

 シャトー・マルゴーやロマネコンティをいきなり飲んでもその味わいは理解できないと言われている。さまざまなワインの経験を積んでから味わうからこそ、その価値がわかるのだ。
 
 最後に、ボジョレヌーボーのボジョレ地区はブルゴーニュにある。しかし、ボジョレはガメイというブドウを使う。ピノ・ノワールではない特殊な地区なのだ。ボジョレヌーボーのフレッシュな味わいを楽しみながら、「今日は、ガメイを飲んでいる」と頭の片隅に記憶しよう。そこから森は広がる。