また、対面で会話をしている際にはθ波と呼ばれるEEGが増強することが確認され、顔処理能力が向上していることが示唆された。さらに、対面で会話をしている人の脳の神経活動は、ズームで会話をしている場合よりも協調的であった。研究グループは、「この所見は、会話中の2人の間で、社会的手がかりを相互交換する頻度が増加していることを示唆している」と述べている。
これらの結果についてHirsch氏は、「全体として、対面での会話では自然でダイナミックな社会的相互作用が自発的に生じているのに対し、ズームでの会話ではこのような相互作用が限定的であるか、全く認められないことが観察された。対面での会話とズームでの会話が脳に及ぼすこのような影響の違いは極めて大きいと思われる」と述べる。
コミュニケーションの
質や豊かさが劣る?
その上で同氏は、「社会的コミュニケーションを取るためのシステムとして、ズームは対面に比べて質や豊かさが劣るようだ」と述べ、「今回の研究で得られた結果は、対面での交流が人間の自然な社会的行動にとっていかに重要であるかを示すものだ」と強調する。
さらにHirsch氏は、「少なくとも現在利用可能な技術では、オンラインで対話相手の顔を見ることで、対面で会話をする際に見られるような、脳の社会的な神経回路への『特別なアクセス』を得ることは不可能だ」と述べている。(HealthDay News 2023年10月27日)
https://www.healthday.com/health-news/neurology/this-is-your-brain-on-zoom
Copyright © 2023 HealthDay. All rights reserved.