ーー他に気をつけるべき場所はありますか?

 同様にアメリカに関係する施設も注意が必要です。アメリカに関する施設とは、大使館や軍、企業がこれに該当します。

 アメリカの政治やビジネス における主要なポジションに多くのユダヤ人がいることは有名です。今の駐日アメリカ大使のエマニュエル氏もユダヤ人。戦争開始直後に渋谷駅前で行われたパレスチナが人質を取ったことに対する抗議活動にも彼は参加していました(10月11日付 NHK)。

 また、アフガン戦争の時も イラク戦争の時も、これまでアメリカは常にイスラエル側についてきました。イスラエルを支援するアメリカも反ユダヤ・反イスラエルの立場の人からすると、敵になります。

ーー 他にも何か気をつけることはありますか?

【イスラエル大使館襲撃】元公安が緊急解説「あなたの身近に迫る危機」元公安という肩書に似つかない柔和な表情が印象的な勝丸円覚氏 Photo: ダイヤモンド・ライフ編集部

 例えば 海外 などに出張に行く際も 同じような注意が必要です。 イスラエル大使館や シナゴーグ の近くにホテルを取らないこと。 アポなどもその近くではやらない方がいいでしょう。 

 仮にそうした施設の近くにしかホテルやアポの場所を抑えられなかった場合、 大使館や シナゴーグ に面してない方の部屋を取るようにしてください。 そうすることで少しでもリスクを下げることができます。 

 それも不可能な場合、 常にカーテンを閉めることを心がけてください。 爆破 などによって 飛んできたガラスを浴びないようにするためです。

ーー逆に、 イスラエル・ユダヤ勢力によるパレスチナ・イスラム勢力への攻撃は考えられますか?

 今後も警戒度としては イスラエルへの攻撃の方が高いですが、 今後もパレスチナへの危害も十分に考えられます。 イスラエルはモサドという情報機関を持っていますが、彼らは時に過激な行動を取ることで知られています。  モサドでなくても過激な思想を持っているイスラエル・ユダヤ 勢力が 何か起こす可能性はゼロでありません。警察もパレスチナ代表事務所に注意喚起をしているはずです。

ーー実際に、危険な場面に遭遇してしまった場合、どのような行動を取るべきなのでしょうか

 まずは自分の身を守ることを最優先にしてください。具体的には、距離を取ること。 興味本位で撮影しようなどというのはもってのほかです。それができた後で構わないのですが、可能であれば 警察に通報してください。 今回であれば「黒い乗用車がイスラエル大使館に向けて 突っ込んでいった」とか、暴動のようなことであれば「〇〇の国の国旗を持った人たちが大使館の前で暴れている」といった具合です。これが被害の拡大を抑えるうえで非常に重要になります。