5バカラの再来感じさせる
余裕のあるE-TECHハイブリッド
エンジニアードのE-TECHメカニズムはいままでどおり。1.6L直4エンジンに2基のモーターを組み合わせ、エンジン側にはドッグクラッチを用いた4速、メインモーターには2速のトランスミッションを用い、合わせて12通りの走行モードを持つ。エンジンスペックが91ps/144Nmと、アルカナやキャプチャーの94ps/149Nmより抑えられている点も、これまでと同じだ。
試乗はアルカナからの乗り換えだったこともあり、160kg軽いボディを生かした加速はダイレクト感にあふれていた。一方でエンジン音やロードノイズの遮断はアルカナほどではなく、車格の違いを教えられた。ただしエンジニアードにはBOSEのサウンドシステムが標準装備される。オーディオを楽しんでいるうちにノイズが気にならなくなったことも事実だ。
足回りの印象は素晴らしい。乗り心地は速度を上げるにつれてフラットでしっとりしたフィーリングになり、フットワークはルーテシアの持ち味である自然な身のこなしに、駆動用バッテリーをリアに積んだことによる重心の低さや前後重量配分の適正化が加わって、安定感が増していた。
かつての5バカラのエンジンは、他の多くのグレードが積んでいた1.4Lではなく、新世代の1.7Lだった。その結果、走りも上質に仕立てていたことを思い出す。余裕のあるE-TECHハイブリッドを得たエンジニアードは、その点でも5バカラの再来のように感じられた。
(CAR and DRIVER編集部 報告/森口将之 写真/山上博也)