短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を研究してきた人物がいる。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。注目の最新刊『チームX(エックス)』は「世界的にみても極上レベルのビジネス書」(神田昌典氏)と評され、デビュー作『売上最小化、利益最大化の法則』は「20年に一冊の本」(人気会計士)と絶賛された。そして今、「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題となっているのがベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』だ。本稿では【がっちりマンデー!!】SNSで「ニトリ」似鳥会長と「食べチョク」秋元代表から「2022年に読んだオススメ本3選」に選抜された本書から一部を抜粋しながら、「最短時間で最大の成果を出す方法」を紹介する。

凡人が先天的リーダーを超える「後天的リーダーの法則」とは?

【過酷】5人に1人は
誰でもリーダーにならざるをえない時代

 リーダーシップは先天的に備わっている場合が多い。

 学生時代の友達の中で、仲間を集め、積極的に動く人がいただろう。

 誰から言われなくてもリーダー役を引き受けるのは、リーダーの資質があるのだ。

 ところが、社会人になると、リーダーの資質がなくてもリーダーになってしまうことがある。

 今のビジネス構造を考えると、どんな会社でも5~6人に1人はリーダーを置かざるをえない。

 そこで、リーダー経験のない人にリーダーを任せると、さまざまな問題が生じる。

 それまで一生懸命仕事をしていた穏やかな人が、リーダーになった途端、威張り散らしたりすることがある。

 以前、ある人を管理職にした途端、別人のように変わったことがあった。

 それまで黙々と仕事をしていた人が、管理職になった途端、「俺は偉いからこんな細かい仕事をする必要はない」と部下に仕事を丸投げするようになった。

 また、「部下にカッコ悪いところを見せられない」という気持ちが強すぎ、失敗を認められなくなった。

後天的リーダーの取るべき
リーダーシップとは?

 社会人になって「初めて」リーダーになった人は、元々リーダータイプではない。

 先天的にリーダーシップが備わっている人は、社会人になるまでに何度かリーダーを経験している。

 どんな組織も、5~6人に1人リーダーを置くとなると、リーダータイプの絶対数が足りない。

 リーダータイプでない人をリーダーに据え、徐々にリーダーに育成していかざるをえないのだ。

 だから、あなたのリーダーシップが認められてリーダーを任されたのではない。

 リーダーとして育成するために「いったん」据えられた状態だ。

 ここで、リーダーとして活躍するために「俺(私)についてこい!」「俺(私)に任せろ!」といった「先天的リーダータイプ」のマネをしてはいけない。

 残念ながら、現時点ではあなたはその器ではないので空回りする。

プロから認められるリーダーこそ
本物のリーダー

 ここで、先天的リーダーではないあなたは、後天的なリーダーのあり方を学ぼう。

 後天的リーダーは「俺(私)についてこい」ではなく「縁の下の力持ち」だ。

 自分が先頭に立つのではなく、「メンバーが取りこぼしたものを黙って拾う」「メンバーが嫌がることを率先して行う」「メンバーの責任を自分が負う」などだ。

 まさに「めんどうくさければGO!の法則」で述べた「7.やるべきだが、誰もやらない『めんどうくさいこと』」(▼本書P87)をやっていくのだ。

 だからリーダーになりたての頃は、まわりから「あの人すごい」とは賞賛されない。

 しかし、黙々とやっていると、上司や優秀なメンバーの中に、「あの人がいるから組織がうまく回っている」と気づく人が現れる。

 そのとき初めて、単に目立つリーダーではなく、「プロから認められるリーダー」になるのだ。

 プロから認められるリーダーこそ本物のリーダーだ。

 これを続けていくことで、後天的リーダーが先天的リーダーを超えていく

 これからあなたが立派なリーダーになるために、「先天的リーダー」のマネをするのではなく、「縁の下の力持ち」になろう。

(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)