この第1相試験は、ピーナツ歯磨き粉を高用量使用した場合の安全性と治療の遵守率、忍容性を評価する目的で実施された。このピーナツ歯磨き粉の製造企業は、得られた結果を米国の規制機関である米食品医薬品局(FDA)に提出し、FDAは4歳から17歳の小児患者を対象とした試験の実施にゴーサインを出した。

 この研究には関与していない、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院食物アレルギー・センター長のJoyce Hsu氏は、この試験とピーナツ歯磨き粉について「興味深い」としながらも、より多くのデータとその原理の実証が必要だと話している。同氏はまた、ピーナツ歯磨き粉の製造企業にこの試験の研究者が関与していることを指摘。その上で、本試験の結果について、外部研究者による独立した検証が必要であると述べている。

舌の下から少量ずつ
アレルゲンを吸収する方法も

 Hsu氏によると経口免疫療法の相対的な有効性に関するデータが増えつつある一方、食物アレルギーに対する舌下免疫療法に関するデータも蓄積されつつあるという。舌下免疫療法とは、アレルゲンを少量ずつ摂取する代わりに、アレルゲンを含む液体を舌の下に保持して口から吸収させる方法だ。

 Hsu氏は「われわれは食物アレルギーの患者の生活をより安全なものにするための新たな方法を常に探し求めているが、そのメカニズムと投与方法の両方を検証する真に優れた研究を行うことが重要だ。そして、安全性だけでなく確実に有効であることを確認することで、効果が得られない治療を行わないようにする必要がある」と話している。

 なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2023年11月9日)

https://www.healthday.com/health-news/allergies/special-toothpaste-might-curb-peanut-allergy-in-adults

Copyright © 2023 HealthDay. All rights reserved.