短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を研究してきた人物がいる。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。注目の最新刊『チームX(エックス)』は「世界的にみても極上レベルのビジネス書」(神田昌典氏)と評され、デビュー作『売上最小化、利益最大化の法則』は「20年に一冊の本」(人気会計士)と絶賛された。そして今、「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題となっているのがベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』だ。本稿では【がっちりマンデー!!】SNSで「ニトリ」似鳥会長と「食べチョク」秋元代表から「2022年に読んだオススメ本3選」に選抜された本書から一部を抜粋しながら、「最短時間で最大の成果を出す方法」を紹介する。

2万円のジーンズと3900円のジーンズとでは、どこがどう違うのか?

2万円のジーンズと3900円のジーンズの違い

 前回、「一流の焼き物の見分け方」について描かれていたマンガについて触れた。

 このマンガにはもう一つのポイントが隠されている。

「一流品に触れ続けているうちに、模造品に当たった瞬間、違和感に気づいた」ことだ。

「模造品に触れ続けているうちに、一流品に当たった瞬間、違和感に気づいた」のではない。

 一流品に触れ続けていると目が肥えてきて、模造品との違いに徐々に気づけるようになる。

 だが、模造品に触れ続けていてはダメだ。

 一流に触れ続けていると、一流とそれ以外の峻別がすぐできるようになる。

 私事で恐縮だが、私は元々服にはあまり興味がなく安物の服を着ていた。

 正直3900円のジーンズと2万円のジーンズの違いがわからなかった。

「生地やデザインの違いなのだろうが、3900円でも多彩な生地やデザインがあるので、その中から十分選べるのではないか。

 それだけで5倍の価格差なんてあるのだろうか?

 2万円のジーンズを買う人は、『ブランド名』で見栄のために買っているんだろう。

 ブランド名なんてネームラベルでしかわからないので、上着で隠れていたら、その2万円の価値は台無しではないだろうか?

 何のために3900円で買えるジーンズを2万円で買っているんだろう」

 と思っていた。

 だからずっと3900円のジーンズを買っていた。

はいてみて初めて実感した違和感とは?

 しかし、結婚して妻が私の服を選ぶようになると、2万円くらいのジーンズを買わされるようになった。

 正直3900円のものと違いがわからないジーンズに2万円も払うのは苦痛でしかなかったが、妻に逆らえず、身につける服は少し高いものばかりになっていった。

 そうしてジーンズは2万円くらいのものばかりをはくようになると、3900円のジーンズをはくとすぐに違和感に気づけるようになったのだ。

 言葉では説明しにくいが、2万円のジーンズをはくとシルエットに立体感が出るが、3900円のジーンズはペタッとしている。

 3900円のジーンズばかりはいているときは2万円のジーンズとの違いはわからなかったが、2万円のジーンズをはくようになると、3900円のジーンズとの違いがわかるようになったのだ。

(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)