相談ベタの心理

先輩「相談ベタってのはね、悩みがはっきりしないと相談してはいけない、と思う人のことだよ。」

「悩みがはっきりしないと……?」

先輩「例えば、仕事のことでなんとなくモヤモヤしているとする。でも、何でモヤモヤしているのかわからない。そんな状態ない?」

「あります」

先輩「そこですぐにだれか捕まえて、相談しちゃうのが“相談上手”」

私は即反論した。

「そんなの迷惑じゃないですか。悩みがよくわからないのに相談したら、時間ばかりかかって一向に解決しないですよ。相談するなら、何を相談したら良いかをまとめて、自分の中で課題をはっきりさせておかないと」

先輩は首を振った。

先輩「違うね、それは相談じゃない。それは会議だ」

「かいぎ……」

先輩「そう。会議。相談ってのは、もっとアバウトなんだよ。モヤモヤっとして、何が課題なのかもわからない、でも悩んでいることはわかる。そんな時にとりあえず誰かに話してアウトプットしてみる。それが相談」

「相談を受ける方も大変ですね」

先輩「そう。裏を返すと、相談したい内容がはっきりしていないと嫌な顔をする人には、相談しちゃいけない。その人は問題を解決してドヤ顔したいだけだから」

「……。」

私は確かにその時、自分が「相談ベタ」であることを自覚した。

そして、この後、コンサルタントとして数々の経営者に会ってきたが、仕事のできる人は間違いなく、相談上手だった。

一流は、壁にぶつかったら、サクッと相談して、前に進む。

このメンタルを身につけるだけで、人生がかなり楽になることは間違いないだろう。