正解がないエアモビリティの世界で戦っていく

──今後の展開についても聞かせてください。

まずは、先日発表したXTURISMO Limited Editionの200台の納車を2022年から進めていきたいと思っています。これから200台の生産フェーズに入っていくので、ゼロイチの開発とは違う難しさがあると思いますが、きちんと生産を進めていければと思っています。

また、先日富士スピードウェイで開催した発表会で海外メディア含め、大々的に取り上げてもらえたので、ホバーバイクだけではなく会社としての認知も高めることができました。現在、国内外含めて提携の相談や問い合わせなども増えたと同時に「こういう使い方もできるんじゃないか」みたいな意見も多くいただくようになりました。

たとえば、レースだったり、畜産業だったり……。私たちが想定していないものも含めて、いろいろな活用方法があることを感じています。

画像提供:A.L.I.Technologies
画像提供:A.L.I.Technologies

──今後の課題としてはどのようなことを想定していますか。

先ほども触れましたが、法整備含め「どういうカテゴリで扱っていくか」や「どういうルールで運用していくか」などは目下の課題です。たとえば、保険やメンテナンスの頻度、いつ・誰が・どこで運転しているかを管理する管制システムの構築なども検討しています。

もちろん、最も大切な安全性の基準に関しても、自分たちで構築していかなければいけません。単純にハードウェアをつくることの外側にやらなければいけないことがたくさんあるので、過去の事例なども参考にしつつ、自分たちで基準をつくっていかなければなりません。

──2022年以降の展開について、意気込みを聞かせてください。

ホバーバイクは交通インフラが整備されていない地域の方が周囲への影響も少ないため、利用するハードルが低い気がしていますね。都心部のように交通インフラが発達していると、定着しづらい部分もあると思っています。そのため、まずは交通インフラが整備されていない地域での水・食料などの物資の輸送、道路が遮断された被災地への救援活動、砂漠、湿地帯、地雷汚染地域のような場所での移動などで利用シーンを増やしていければと思います。

ただ、いずれにしても私たちとしては「実際にホバーバイクに乗っている人がいる」という状況をつくることが第一歩だと思います。先日の発表会によって、さまざまな意見をいただけたように、「こういうところで使ってます」みたいな話が出てくると、ますます普及の呼び水になると思っています。まだまだやるべきことは山積されていますが、ひとつずつクリアしていき、エアモビリティが自由に飛び交う社会の実現を目指していきます。