「Instagramがインタレストグラフ(興味)でつながるのに対し、Facebookは、まさにソーシャル=人と人のつながりなんです。そこで一番強い部分はやはりコミュニティです。今回のコロナ禍の中でも、非常に多くのNPOなどが自主的に、中小のビジネスや特定の地域を支援するような形で立ち上がりました。そうした使い方もあって、Facebookの利用時間は、日本国内ではとても伸びているんです」

「コロナ禍で人の間に物理的な距離が生まれる中、人のつながりの価値が再認識されました。そういった意味で言うと、Facebookは(この時代に)非常に合ったプラットフォームだと思います」(味澤氏)

では、安心・安全の部分ではどうだろうか。コロナ禍においては特に重要な部分であり、Facebookにおいてコミュニティが重視されたのも、コロナ禍で「安心・安全」が求められたためでもあるだろう。これはどのSNSも苦労していた領域でもある。

「この2年間を振り返ると、会社の中では、僕たちが日本の中でやっていくべきことを『社会経済への貢献』『安心・安全な環境を作ること』だと考えました。やはりコロナの影響が非常に強かったので、まず『正しい情報を出していく』ということを、厚生労働省等々と組んで進めてきました。また日本では特に、自治体連携を積極的に進めてきた部分があります」

「安心・安全のために使っていただくという意味でも、中小企業を支援するという意味でも、自治体との連携は非常に効果的です。それに、被災地支援も力を入れている部分です。日本は災害の多い地域ですし。『災害支援ハブ』(安否確認などを含む災害支援に関する機能・情報を集約したページ)という機能は、ご存じの通り、東日本大震災をきっかけとして日本で生まれ、それを改善しながら使っているものです」(味澤氏)

日本でも「メタバース開発」を加速、Quest 2販売体制構築にも注力

今後のMetaの中核となる、メタバース事業で日本はどのような役割を果たすのだろうか。味澤氏は「非常に重要な役割」と断言した上で、次のように語る。

「メタバースは、今後、業界関係者・研究者の皆様とともに『みんなで作っていくもの』だという認識です。今はまだ入り口ですね。日本は、『使う』面でも『作る』面でも非常に重要なマーケットです。例えば(VRワークスペースの)『Horizon Workrooms』。昨年夏にスタートしたばかりのサービスですが、世界的に見ても、日本からの利用は非常に多いんです。また、日本はゲーム関連事業の強い国ですから、開発者の数も非常に多い」