Coyote Venturesによれば、コンシューマー向け製品の領域は今後スタートアップ同士の合併・買収による業界の再編が進むと予想している。

大企業のフェムテック領域への参入

また、大企業がフェムテック業界に進出、もしくは既存領域として強化するケースが増えてきている。例えば、昨年6月、大手製薬メーカーMerck(メルク)が女性の健康をターゲットにした新会社・Organo(オルガノン)の設立を発表した。大企業がフェムテック事業に新規参入する、もしくは既存事業をさらに成長させる際、Coyote Venturesによれば、まずは情報収集が必要だという。

フェムテック専門ファンドにLP出資をする、もしくは、世界中で開催されるイベント(HITLABKiascoなど)に参加をすることで、フェムテックエコシステムでの現状を把握する。まずは、オンラインのコミュニティに参加してみるのが良いだろう。

筆者自身、Femtech Focusのポッドキャストや、Femtech Insiderで配信されるニュースなどは日々チェックしている。エコシステムに入ることで、スタートアップ情報やトレンドが手に入り、効率的に協業パートナーや投資先が見つけられる。

2022年のフェムテック業界の動向予測

さて、2022年のフェムテック業界はどのような動きが予測されるのか。バレット氏によると、遠隔モニタリングが引き続き成長するという。妊婦や出産後の女性が病院に来ることなく、医療機関に相談できるような仕組みは出てきているが、その他の症状においてもパンデミックの影響で引き続き成長が見込まれる。遠隔モニタリングと共に、筆者が以前の記事でも紹介した自宅での検査・診断・処方薬なども便利さの観点から、引き続きトレンドとして残っていくだろう。

次に注目しているのは、CBD(大麻草に含まれるカンナビノイドの成分の一種)や新しいメンタルヘルス治療だという。実際にCBDを活用し生理痛を和らげるタンポンを開発する「Daye(デイ)」なども出始めている。サイケデリック医薬品などの代替メンタルヘルス治療法に関しては、性被害や性虐待などから起こるPTSD治療法への活用に注目しているそうだ。

また、定期的なホルモン検査も伸びていくという。血液や尿、唾液などから定期的にホルモンをモニタリングし、食欲の変化や片頭痛などの不調、不妊との関連を理解し、女性が自分の体調をコントロールするような仕組みだ。カナダベースのEli Health(イーライヘルス)は、唾液を使ったホルモンモニタリングデバイスを開発している。