「これらの処理を、多くの企業がスプレッドシートやExcel、もしくは自社開発ツールによる管理に頼っていて、継続課金ビジネスに共通の課題を解決するソフトウェアが流通していないという現状がありました。グローバルでは『Zuora』のようなサブスクリプション管理SaaSもありますが、商習慣やプライシング、ユーザビリティなど、日本へのローカライズはそこまで進んでいるとは言えません。Scalebaseは、日本の商習慣に即し、よりリーズナブルで小回りの利くBtoBソリューションを目指しています」(伊藤氏)

具体的には、販売条件や顧客管理、請求管理、会計まで、サブスクリプションビジネスの業務に必要な機能を一気通貫で提供。定額課金から条件付き従量課金まで、多様な料金計算モデルに対応し、契約情報から自動で請求業務を行うことができる。また、アップセル、クロスセル、チャーンなども契約情報から把握でき、リアルタイムでMRRやチャーンレートといった指標を可視化・分析することも可能だ。

Scalebaseの特徴

また、シームレスなオペレーション実現のために、SalesforceなどのSFA(Sales Force Automation)ツール、会計システムといった国内外のクラウドサービスとの連携も進めている。

料金は基本的には月額制。取り扱う契約の件数に応じた変動料金を採用しており、契約件数が100件以下の小規模事業では月額5万円、契約件数が1000件を超えるような大規模なクライアントでは月額40万円〜といったケースも。ほか、導入初期費用が10万円、導入期間中のプロジェクト支援費用が支援期間に応じてかかる。

導入企業には、クラウド型OCRサービスのAI inside、塾向けAI教材提供のatama plus、副業・転職マッチングSNSのYOUTRUSTといったスタートアップのほか、旅行会社大手のJTBや東芝グループから独立したWorkVision(旧・東芝ソリューション販売)といった企業の新規事業部門などが活用するケースもあるという。現在、70社超の企業がScalebaseを利用しているそうだ。

現状では、BtoB SaaS提供企業が主要顧客となっているが、中長期的には「BtoCサブスクリプション事業者など、顧客数が多く、大規模なトランザクションが発生したり、24時間・365日決済に耐える基盤を用意してターゲットを増やしていきたい」と伊藤氏は語る。