Photo:Alan Schein Photography/Getty Images
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しかしながら、マネックスグループだけでナスダック上場を目指すのは難しい。そこで、まずはコインチェックグループをオランダに設立し、その傘下にコインチェックを入れ、マネックスグループの子会社としてナスダック上場済みのサンダー・ブリッジ・キャピタル・パートナーズと統合し、上場させる方法を選択しました。

──コインチェックは、海外を中心に事業を展開していくことになりますか。

コインチェック自体は金融庁から規制を受けている企業なので、今までと変わらず日本国内で事業を展開します。どちらかと言えば、コインチェックグループに連なる子会社をつくり、それらを世界に展開していくイメージですね。その事業が決済になるのか、仮想通貨交換所、またはNFTかメタバースになるのかは可能性を探っているところです。

──NFTやメタバースも視野に入れているということは、Web3と言われる領域にも可能性を感じているのでしょうか。

マネックスグループは暗号資産に着手しているので、すでにWeb3領域へ参入していると言っていいと思っています。

暗号資産はグローバルな土壌じゃないと勝負にならない

──日本政府でも、Web3を新しい資本主義の核にすべき、という声もあがっています。こうした動きを、松本さんはどう捉えていますか。

僕らはあくまでも民間企業なので、政府の動きとはそれほど関連しないと考えています。ただ、暗号資産やブロックチェーン事業はグローバルでなければ勝負になりません。コインチェックは日本の行政が定めたルールにのっとって事業を進めつつ、他の関連会社でグローバル展開にも注力していきます。私たちは、やるべきことを淡々とやっていくだけです。

──米国ではコインベースなどの大手企業が存在します。こちらはどう見ているのでしょうか。

コインベースと同じ土俵で戦えるとは思っていません。ただ、彼らはまだ機関投資家を含めて、日本の投資家の顧客基盤を抑えていない。私たちにできることはあると思っています。まずは日本のお金、日本のお客さん相手に私たちが得意とする土俵で戦っていければ、と思っています。