開発を始める前からヒアリングなどを通じて顧客のニーズを捉えている手応えはあったが、自信を深めるきっかけになったのは、現地に行かないとわからない情報や紙で扱われていた情報なども含めて一元管理できる構想をターゲット企業に話したこと。コンセプトのみの段階にも関わらず複数社から「これが欲しかった」と言われることが増え、サービスに対する食いつきも変わったという。

最初の顧客にサービスを導入してもらったのが創業からちょうど1年が経過した2021年の10月。そこから半年強で少しずつ導入事例を増やしながらサービスを改善し、正式ローンチまでこぎつけた。

「すべての法人がフェアに評価される仕組み」実現へ

今後は調達した資金を活用して組織体制を強化するとともに、さらなるデータベースの拡充やプロダクトの機能強化に取り組む。中小企業や新興企業だけでなく、個人事業主のデータベースの開発なども進めていく計画だ。

「従来の仕組みのままDXが進んでしまうと、ディストピアになる可能性があると思っているんです。しっかりと情報がある会社だけが低コストでさまざまな金融サービスにアクセスでき、情報がない会社には金融サービスが流れてこないという状況になってしまいかねない。そのギャップを埋めていくことが、SimpleCheckの役割だと考えています」

「金融機関の課題を解消することがサービスの大きなコンセプトではありますが、目指しているのはすべての法人がフェアに評価される仕組みを作ること。それによって、よりチャレンジがしやすいような世界を実現していきたいです」(田代氏)