Steam版『モンスターハンターライズ』発売から、わずか5カ月半で超大型有料DLCを配信

さて、ここでモンスターハンターライズの大型有料ダウンロードコンテンツ(DLC)であるサンブレイクの内容に目を向けてみよう。元となったソフト、モンスターハンターライズは2021年3月にNintendo Switch専用ソフトとして発売から1年3カ月。ようやくの大型アップデートとなった。しかも、今回はSteam版のサンブレイクも同時に発売する。

Steam版モンスターハンターライズの発売は、Nintendo Switch版ソフト発売から9カ月後の2022年1月。それからわずか5カ月半で、大型有料DLCが発売されたことになる。これは通常のゲームソフト販売サイクルから考えると明らかに短いが、Nintendo Switch版とSteam版のサンブレイクを同時発売することに、カプコン側が強くこだわったというのが著者の見解だ。

Steamでソフトを販売するためのデメリットを解消するには、「知名度を上げるためのPRしかない」と上述した。Steam版サンブレイクをNintendo Switch版と同時に発売できれば、Nintendo Switch版のプロモーションをすることでSteam版のプロモーションにもなるため、その費用対効果も大きく上昇する。さらに「高解像度・高画質・高フレームレート(滑らかに動く)」なSteam版ソフト至上主義のユーザー層にもアピールでき、新規客層の獲得も期待できる。

サンブレイクはまさに、辻本社長が語ったソフト戦略「パソコン(PC)向けをメインにする」実現に向けて、大きく加速するターニングポイントとなったのである。

コンビニに置かれたDLカードが、ソフトの発売をPRする

サンブレイクは有料DLCなので販売方法の中心はマイニンテンドーストアでのクレジットカード決済で、パッケージ版ソフトはモンスターハンターライズとのセット販売のみとなる。このため、残念ながらサンブレイクの販売本数はライズ本体を超えることはない。

また、クレジットカードを持っていないユーザー層に向けての決済手段として、ダウンロードカードの販売が行われている。これはApple Gift CardやGoogle Play ギフトカード、Amazonギフト券などと同様に、コンビニエンスストアや家電量販店、ゲーム販売店などで販売されるプリペイドカードのこと。

ダウンロードカードは『ポケモン』をはじめとするメジャータイトルではタイトルごとの専用カードが発売されるようになっているが、サンブレイクも例外ではない。大型DLCの料金(4990円)のほか、ゲーム内で使える衣装やポーズなどのDLCセット「デラックスキット」(1500円)。さらに、Steam版サンブレイク(4990円)も同時発売となった。