そんなクラダシは7月6日、マーケティング活動の強化による利用者数の拡大、人材採用の強化を目的に新生企業投資が運営するファンド、博報堂DYベンチャーズ、ロート製薬、池森ベンチャーサポート、SGインキュベートが運営するCVCファンドを引受先とする第三者割当増資によって、総額6.5億円の資金調達を実施したことを発表した。また、サービス名をKURADASHIからKuradashiへ変更したことも発表している。

2023年12月までに50万人の利用者を獲得へ

クラダシ代表取締役社長の関藤竜也氏は総合商社、戦略コンサルティング会社の取締役副社長を経験した人物。総合商社で2年ほど中国に赴任していた際、コンテナ単位で食料が大量に廃棄されているのを目の当たりにし、フードロスの削減に取り組むことを決めた。

フードロス削減に取り組むサービスとしてはほかにも、食品ロスを減らしたい飲食店と、安く食事をしたいユーザーをマッチングする「Reduce Go」や「TABETE」などがある。それらのサービスと比較した際、「廃棄される商品に新たな価値をつけて再流通させる『1.5次流通』という新しいマーケットを創出しているのがKURADAHIの特徴」(関藤氏)だという。

 

例えば、KURADASHIは協賛価格という形でメーカーから通常の流通ルートでの販売が困難な商品を買い取ることにより、メーカーのブランドイメージを毀損させず、消費者は最大97%オフでおトクに商品を購入することができる。

また、購入金額の一部を自分が応援したい社会貢献団体に寄付できる仕組みをつくることで、「おトクに買い物を楽しみながら、社会貢献やフードロスの解決に取り組めるのも大きな特徴となっている」と関藤氏は語る。

コロナ禍で飲食店の休業が相次ぎ、商品の卸先がなくなったことでメーカーからの問い合わせも増え、パートナー企業の数も増加したという。

現在、利用者は35万人を突破しているものの、「まだ社会貢献は堅苦しくてハードルが高いものと感じている人は多い」(関藤氏)とのこと。そのため、クラダシは「たのしく・やさしく・おやすく」をキーワードに、消費者へのサービスの認知拡大を図っていく。8月中にはアプリ版の提供も開始し、2023年12月までに50万人の利用者の獲得を目指す。