イーロン:第一に、私は恐怖を非常に強く感じています。だから、ただ恐怖心がないわけではありません。かなり強く感じているのです。でも、何か大切なことがあって、それを十分に信じているときには、恐怖心があるにもかかわらず、それをやってしまうことがあるのです。

サム:大切なこととは。

イーロン:誰もが「私は恐怖を感じるから、それをやってはいけない」と考えるべきではありません。恐怖を感じるのは普通のことです。恐怖を感じないということは、精神的に何か問題があるのは間違いないでしょう。

サム:恐怖を感じても、大切だと思うことを原動力にとにかくやってみるということですね。

イーロン:そうですね。実はある程度、運命論が役に立つと思います。確率を受け入れれば、恐怖心は薄れます。私がSpaceXを立ち上げるとき、成功する確率は10%以下だと思っていたので、おそらくすべてを失うだろうと受け入れました。でも、もし私たちが失敗したとしても、ボールを前進させることができれば、他の会社がバトンを受け取り、前進させ続けることができるかもしれない、そうすれば何か良いことがあるはずだと。Teslaもそうでした。自動車会社が成功する確率は極めて低いと思っていました。

(後編に続く)